【宿】 |
ザックス | セフィの奴…帰って来ないな……。 |
クラウド | 一晩、明けたのに戻って来ないって事は、何かあったんだな…。 |
ザックス | 俺、王宮に行ってみる。 |
謎の男 | …お前は呆れるほど無謀な奴だな。一介の賞金稼ぎが王宮に行って、それで何をする積りだ? |
| 王宮に関する事なら、ユフィから新しい情報が入るのを待つべきだ。 |
ザックス | だけど、セフィだけでなくエアリスも王宮にいるらしいのに、何もせずにじっと待ってるなんて……。 |
クラウド | ……だったら、魔術師の館に行ってみないか? |
| 王宮に行っても中に入れる可能性は殆ど無いけど、魔術師の館に行けばセフィロス王子に会えるんじゃないか? |
ザックス | そうだな。やっぱり、行ってみるべきだよな。 |
| アノニム。あんたはどうする? |
クラウド | アノニムは行かない方が良いんじゃないのか?魔術師セフィロスも王弟セフィロスも、もしかしたら既に闇に取り込まれているかも知れないんだ。 |
ザックス | そうだな。アノニムまで取り込まれちまったら大変だよな。 |
謎の男 | ……。 |
ザックス | それじゃクラウド、武器でも仕入れて出掛けようぜ。 |
謎の男 | …クラウド。お前、何か隠している事があるんじゃないのか? |
クラウド | ……え?いきなり何を……。 |
謎の男 | 俺は人の心が読める訳じゃないが、嘘を吐いたり隠し事をしたりしてる奴っていうのは、何となく判るんだ。 |
クラウド | ……何も隠してなんかいない。何となくで人を疑うなんて、失礼じゃないのか? |
謎の男 | ……。 |
ザックス | 出掛けに仲間割れは止めてくれよ。クラウドは何も隠してないって言ってるんだから、それで良いだろう? |
謎の男 | ……俺はここでユフィの連絡を待つ。 |
ザックス | ああ。じゃあ、行って来る。 |
クラウド | ……。 |
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--武器屋で買い物 |
ザックス | アノニムの言った事、気にするなよ。俺は、お前を信じてるぜ? |
クラウド | ……判ってる……。 |
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【魔術師の館】 |
--魔物と戦う。 |
魔術師 | またお前たちか…。今度は何の用だ? |
ザックス | 俺達を騙して正宗を手に入れたくせに、よくものうのうと―― |
クラウド | 待て、ザックス。今日は、セフィロス王子に会いに来たんだ。 |
| 王子。お久しぶりです。 |
王弟 | ああ…この前は、牢から出るのに世話になったな。 |
クラウド | いいえ、あの時ではなく、15年前です。 |
| 4歳の時、王宮でお会いしました。 |
王弟 | 4歳?そうか…。あの時の不思議な子供がお前か。 |
| すっかり大きくなったので判らなかった。 |
| 嫌…その不思議な輝きを持つ瞳で思い出すべきだったな。 |
ザックス | (不思議な輝きを持つ瞳…?) |
クラウド | あの時、俺はあなたに渡さなければならないものがあると言いました。 |
王弟 | ああ…。俺に、天使をくれるのだと言っていたな。 |
クラウド | そうです。『片翼の天使』を…。 |
ザックス | 『片翼の天使』?クラウド…お前、いつそんな事を思い出し―― |
クラウド | 黙っててくれ。今は、王子と話しているんだ。 |
王弟 | あの時お前は、俺には翼が一つしか無いのだと言っていたな。だから、欠けた翼をくれるのだ…と。 |
| 俺には翼など無いのに、不思議な事を言う子供だと思った。 |
クラウド | 片翼は不完全さの象徴です。『片翼の天使』を手に入れる事で、あなたは封印されている力を取り戻す事が出来る。 |
| 今ならば、その意味が判りますよね? |
王弟 | ……ああ。古の魔王としての力……だな。 |
ザックス | クラウド…?一体、何をする積りだ? |
クラウド | あなたが望むのならば、『片翼の天使』をお渡しします。 |
王弟 | …それが手に入れば、俺はこの世を支配するほどの力を得るのだったな。 |
魔術師 | …そうだ。ほんの数十年しか生きられない儚い人間の身体を棄てて、神にも等しい力を手に入れる。 |
王弟 | ……悪くは無い。 |
ザックス | セフィロス王子…!?そんな事をしたら、あんたは妖魔に―― |
クラウド | 黙っていろ…! |
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--ザックスが封印される |
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ザックス | (声が…!それに、身体も動かない…!?) |
| (それにクラウドの眼……今まであんな風に光る事は無かったのに……) |
王弟 | …不思議な話だな。もう15年も経つのに、あの時の事はよく覚えている。 |
| あの時の、約束も。 |
クラウド | 15年前の約束を果たす時が来ました。時は、今やっと満ちたのです。 |
王弟 | …良かろう。俺に、『片翼の天使』を渡してくれ。 |
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--クラウド、王弟に斬り付ける |
--王弟、魔術師が共に消え、『片翼の天使』が手に入る |
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ザックス | 王子…!?クラウド、お前…一体、何をしたんだ…!? |
クラウド | …妖魔セフィロスは峻厳のセフィラ、王弟セフィロスは慈悲のセフィラの継承者だ。 |
| その2つのセフィラのいずれかがリユニオンの中核を成し、他の全てのセフィラはリユニオンと共に中核に吸収される。 |
ザックス | つまり、どういう事なんだよ? |
クラウド | 『片翼の天使』は、妖魔セフィロスと王弟セフィロス、いずれかの生命の化身だ。 |
| 一方が死ねば、もう一方が相手の力全てを吸収して魔王として復活する…。 |
| 但し、その時に王弟が覚醒しなければ、リユニオンは成就しない。 |
ザックス | ……まさかお前…『片翼の天使』を妖魔セフィロスに渡す為にセフィロス王子を殺したのか……? |
クラウド | 妖魔セフィロスと王弟セフィロスの力は拮抗している。だから妖魔は、間接的に王弟の生命を狙うことはあっても、直接対峙するのを避けたんだ。 |
| 自分が、相手に吸収されてしまう事を恐れたから。だから妖魔は、俺の力を必要とした。 |
ザックス | …どうしてそんな事を…?もしかして、この前、北の大空洞に行った時に、妖魔に会ったのか? |
クラウド | ああ…。妖魔に会って、全てを思い出した。 |
| そして、ニブルヘイムの惨劇を、無かった事にしてくれると約束された。 |
ザックス | 無かった事に…だと? |
クラウド | 事件の記憶を消し、死者を蘇らせる…。 |
ザックス | 妖魔と取引したのか?どうして…!? |
クラウド | 俺がいくら必死になって心の闇と戦ったって、死んでしまった人たちは生き返らない。 |
| ティファの哀しみは、永遠に消えない……。 |
ザックス | 心の闇を克服して、ティファに全てを話すんじゃなかったのかよ? |
クラウド | ……本当の事なんか話せば、ティファは余計に苦しむだけだ。 |
| ティファは、俺を孤立から救えなかった事に罪の意識を感じていた。 |
| ティファに責任は無いけれど、でも、俺の孤独や皆を怨む気持ちが結果としてあの惨劇を起こしたのだと知れば、自分にも責任があるように感じて苦しむだろう……。 |
ザックス | だからって、何で妖魔なんかと取引したんだよ?あいつはこの世を闇に沈めようとしてるんだぞ? |
クラウド | 闇は、悪では無い。 |
| 悪いのは、闇の秩序を乱し、闇の姿を歪めてしまった人間たちだ。 |
ザックス | クラウド、お前……。 |
クラウド | お前がエアリスを助けたいように、俺だってティファを哀しみから救いたいんだ。 |
ザックス | その為にセフィロス王子を殺し、魔術師まで消しちまったのか? |
クラウド | 俺に取ってティファは、家族以上に身近な…何よりも大切な存在なんだ。 |
ザックス | だからって、ティファの為だったら他の誰かを犠牲にしても構わないって言うのか? |
| 王子や魔術師を殺しただけでなく、この世を闇に沈める気か…!? |
クラウド | ……15年前、俺を信じてくれたのはティファだけだった。5年前に、俺を庇ってくれたのも…。 |
ザックス | ……見損なったぞ、クラウド。 |
クラウド | …お前は誰でも簡単に信じ過ぎるんだ。 |
| 裏切られるのは、自業自得だ。 |
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