【街】 |
--武器屋で買い物 |
--街に戻ったところで魔物登場。戦う |
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妖精 | ザックス。お前に話がある。 |
ザックス | 判った。クラウド、ちょっとそこで待っててくれ。 |
クラウド | ……。 |
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妖精 | 話がかなりきな臭くなって来たな。強くなる為に妖刀を手に入れるなんて、危険すぎる。 |
ザックス | それしか方法が無いなら仕方ないだろう? |
| エアリスの兄ちゃんの言葉が嘘で無いなら、その正宗とかいう刀を手に入れれば、俺たちでも妖魔と戦えるんだ。 |
| しかも、薬草があるのも妖刀があるのも、どっちも北の大空洞だからな。 |
| うまく行けば、薬草と妖刀、両方手に入るかも知れない。 |
妖精 | それでも、もう一度、北の大空洞に行くのなら、クラウドは外した方が良い。 |
| この前は瘴気にやられただけかと思ったが…。闇の力の影響を受けたと言うより、あいつ自身が抱えている闇が、大空洞の妖気に反応したみたいだからな。 |
| 昼間だと言うのに街中に魔物が現れたのも、クラウドの心の闇に引かれたんだろう。 |
ザックス | そう言えば、クラウドの故郷では昼でも魔物が出没するらしいけど…。 |
| まさか、あいつの正体が妖魔…なんて事は無いだろうな? |
妖精 | 妖魔ならば、人間に化けていても見れば判る筈だ。 |
| それより…王弟に禍々しい気を感じたという魔術師の言葉と、王弟に会った事がある気がすると言っていたクラウドの言葉…。どうも引っかかる。 |
ザックス | まさか英雄王子が実は悪い奴で、クラウドの故郷を焼き払った犯人…なんて事は無いよな? |
妖精 | あの魔術師は人の心が読めるからな。もし王弟に隠し事があるなら、即座に見破っていた筈だ。 |
| それに、一国の王子が外国で事件を起こしたのに、それを誰にも気づかれないなんてあり得ないだろう。 |
ザックス | …色々、疑問があるのは確かだけど、ここで考えてたって仕方ない。俺はもう一度、北の大空洞に行く。 |
妖精 | …クラウドはどうするんだ?連れて行けば、何が起きるか判らないぞ。 |
ザックス | そうかも知れないけど、俺はクラウドを信じる。仲間だからな。 |
妖精 | 3日前に知り合ったばかりの相手だろう? |
ザックス | それでも、仲間は仲間だ。 |
妖精 | つくづく楽天的な奴だな…。今まで人に裏切られた事は無いのか? |
ザックス | そりゃ、あるさ。流れ者の賞金稼ぎなんかやってると、周りは胡散臭い奴ばっかりだからな。 |
| 何度も痛い目にあって、少しは人を見る目が養われたと思う。 |
妖精 | ……言っておくが、俺はエアリスを助けたいだけであって、お前ともクラウドとも仲間な訳じゃない。 |
ザックス | 判ってる。もし危なくなったら、お前だけでも逃げてくれ。 |
妖精 | …そこまでの覚悟があるなら、3人で行くか…。 |
| どっちみち、俺は橋の維持とお前に力を貸すので手一杯で、洞窟の奥にまでは行けないからな。 |
| どうしても、あと一人は戦力が必要だ。 |
ザックス | じゃあ、決まりだ。 |
| クラウド、待たせて悪かったな。行こう。 |
クラウド | ……。 |
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村人A | 王弟殿下が謀反などと、あり得ない…! |
村人B | 濡れ衣に決まっているわ。何とおいたわしい……。 |
村人C | あの方は私たちの英雄なのに、牢に入れるなんて…。 |
村人D | 王弟殿下の側近たちも捕らえられたとか。一体、この国はどうなるのか…。 |
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ザックス | セフィロス王子が謀反…!? |
| どういう事だ?セフィロス王子が謀反だなんて…。 |
妖精 | 昨夜、魔術師に会いに行ったのを、誤解されたのかも知れない。 |
ザックス | 誤解だったら、すぐ釈放されるよな? |
妖精 | それはどうかな…。自分より弟を王にと望む者が多いのを、王は前々から不快に思っていたかも知れない。 |
ザックス | それが面白くないのは判るけど、無実の弟を牢に入れるなんて酷いんじゃないか? |
| しかも罪状が謀反って事は…。 |
妖精 | ああ。このままならば極刑は免れられないだろうな。 |
妖精 | とは言っても、王弟を処刑などしてしまったらこの国はたちまち弱体化し、近隣諸国から攻め込まれてしまうだろう。 |
ザックス | 何とかセフィロス王子を助ける方法は無いのか? |
妖精 | お前、エアリスを助けるんじゃなかったのか? |
ザックス | 勿論、エアリスも助ける。でもセフィロス王子は俺が目標とする英雄だし、一度、危ないところを助けられた恩もあるし。 |
| それに王子が処刑されてこの国が外国に攻め込まれたら、エアリスだって苦しむ事になる。 |
| 俺に出来る事があるんだったら、どうにかしたい。 |
妖精 | つくづく欲張りだな、お前は…。とりあえず、仲間の妖精から情報を集めてはみるが…。 |
| でも今は、エアリスを助け出すのが先決だ。 |
ザックス | 判ってる。 |
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【大臣の私室】 |
大臣 | 謀反の疑いで王弟殿下を投獄なさるとは…。国王陛下は一体、どうなさってしまったのだ? |
侍医 | どうなさったも何も、大臣殿の望みどおりではないのか? |
| 陛下の御心に、弟君に対する不信感を植えつけてくれと、私に依頼したのをお忘れか? |
大臣 | それは王弟殿下が私の身辺を調査させているので、少しでも他所に注意を逸らせようとしただけで……。 |
| それにしても、兄君想いの王弟殿下が謀反などあり得ない事は、国王陛下もよくご存知の筈なのに…。 |
侍医 | 国王陛下はご幼少の頃から弟君の健康を羨み、名声を妬んでおいでだからな。 |
| 常日頃は自らを律してそのような感情を押し殺していたが、抑圧された感情というものは、何らかのきっかけがあれば容易に噴き出すものだ。 |
大臣 | 侍医殿……。一体、陛下に何を吹き込んだ…? |
侍医 | 王弟殿下の側近たちが、黒魔術を使って妖魔を呼び出した…と。 |
大臣 | 何だと…!?それはまことか? |
侍医 | さあ…。私はただ、そういう噂があると陛下に申し上げただけだ。 |
大臣 | そんな噂など、聞いた事も無い。まさか侍医殿、王弟殿下に謀反の濡れ衣を…。 |
侍医 | 噂などというのは、所詮、その程度のものだ。 |
大臣 | 何を落ち着いているのだ?このまま嫌疑が晴れず王弟殿下が処刑される事にでもなったら、この国はどうなる? |
| ミッドガルが今のような豊かな大国になったのは、英雄の誉れ高い王弟殿下が、近隣諸国との度重なる戦を勝利に導いたからであって、あの方がおられなければ、昔のように戦禍に脅かされるようになってしまう……。 |
侍医 | その英雄を、自らが私腹を肥やす妨げになるからと、目の上のコブ扱いしていたのは、どこのどなただったか…。 |
大臣 | 私一人に罪を押し付けるのは止めてくれ。貴族たちも、身分にかかわらず実力者を登用する王弟殿下のやり方に反発していたし、何より侍医殿は私から賄賂を受け取って私に協力していたではないか。 |
侍医 | さて…。賄賂など、受け取った覚えは無いが。 |
大臣 | とぼけるな…!私は確かに―― |
侍医 | 侍医に賄賂を渡して、国王陛下の治療を故意に妨げさせたと、国王陛下の前で自白する積りか? |
大臣 | そ…それは……。 |
侍医 | それとも、国王陛下の不興を買う覚悟で、王弟殿下の助命嘆願でもしてみるか? |
| 悪くすれば、大臣殿にも謀反の疑いがかかるだろうな。 |
大臣 | では……一体、どうすれば…?ただでさえ妖魔のせいで騎士団は弱体化している。 |
| こんな状況で騎士総督の王弟殿下が処刑などされれば、諸外国がわが国に攻め込むのは火を見るより明らかだ…。 |
侍医 | 今の内に、国外逃亡の準備でもしておけば良い。逃亡しても贅沢に暮らせる程度の蓄えは、既にあるのだろう? |
| 何しろ、国王陛下が殆ど寝たきりであるのを利用して、税を着服していたのだからな。 |
大臣 | な…何を根拠にそんな……。 |
侍医 | では大臣殿の私室を飾り立てるこの高価な調度品の数々は、どうやって手に入れたと? |
大臣 | そ…それは、先王の妹君が我が家に御輿入れの際の祝いの品で……。 |
侍医 | 国王陛下ならばそれを信じて下さるだろうが、王弟殿下ではどうかな。 |
大臣 | ……。 |
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【神殿】 |
--エアリスが捕らえられている |
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妖魔 | (操られるのを防ぐ為に、意識を閉ざしたか…) |
| (中々、強情な娘だが、長くは持つまい……) |
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--侍医が現れる |
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侍医 | 首尾は上々でございます。 |
妖魔 | ああ。ここからも見えていた。王弟の処刑が、新たな契機となる。 |
| だが、王は処刑を躊躇うだろうな。 |
侍医 | では処刑を急ぐよう、仕向けます。 |
妖魔 | 随分、長い間待ったが、ようやく時は満ちた。 |
| 我が同胞の目覚める時が……。 |