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【地下】 |
| 少年 | 何をする…?部下を見殺しにする気か…!? |
セフィロス | どんな装置であれ、動力源を断てば作動はしなくなる。 |
| 何より、お前が本当に装置の改造をしたとは思えないな。 |
少年 | (見破られた……) |
セフィロス | それより…お前の目的はなんだ? |
| それに、ジェネシスや他のソルジャーはどうした? |
少年 | ……。 |
セフィロス | 擬態するモンスターの事を言っていたが、お前はモンスターなどでは無いだろう? |
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--泣き声 |
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セフィロス | …!今の声は…? |
母 | セフィロス、何をしているの?皆が騒ぎ出したわ…。 |
少年 | 母さん、こっちに来ちゃだめだ…! |
セフィロス | 母親…?(セフィロス…だと?) |
少年 | ……あの姿を見られたからには、お前も生きてここから出す訳には行かない…。 |
セフィロス | まさか…お前の母親があんな姿になったのは、神羅の実験のせいなのか? |
母 | …!どうしてそれを…。実験の事を知っているの? |
セフィロス | 嫌…。俺が知っているのはただ、ここが昔、神羅の研究所だった事と、 |
| 神羅ならば会社の利益の為に、非人道的な行為も厭わないという事だけだ。 |
少年 | 神羅は俺の仲間たちを殺したんだ…! |
セフィロス | 仲間…? |
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呻き声 | 身体ガ欲シイ |
| 人間ニナリタイ 人間ニ戻リタイ |
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セフィロス | そうか…。ここに近づくにつれて感じた不穏な空気。 |
| そして近隣の村人たちを襲ったモンスターの正体は、お前たちだったんだな。 |
| 初陣の時には、ドラゴンの気の方が強くて気付けなかった…。 |
少年 | 仲間たちを…どうする積りだ?殺すのか? |
セフィロス | 実験によって姿を変えられただけで元は人間だ。殺せるはずが無いだろう。 |
少年 | ……!? |
母 | そんな事を言って、私たちを油断させようとしても無駄よ。 |
セフィロス | 見逃すと言っている訳では無い。近隣の村に被害が出ている以上、放置は出来ない。 |
少年 | やっぱり殺す積りなんだな?母さん、逃げて…! |
母 | 私はこんな姿だから逃げられないわ。セフィロス、あなただけでも逃げて…! |
セフィロス | お前…セフィロスという名なのか? |
少年 | だとしたら何だ? |
セフィロス | 何故…お前はずっとここに留まっている? |
少年 | 母さんや仲間を見棄てて行ける訳ないだろう? |
セフィロス | 彼らと一緒にいれば、お前もモンスターの謗りを免れられないのに、それでも…か? |
少年 | 誰よりも大切な人を護る為だったら、世界を敵に回しても構わない…! |
セフィロス | ……。 |
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【廃墟2】 |
| ジェネシス | アンジール…おい、アンジール、しっかりしろ…! |
アンジール | ジェネシス…?お前…本物か? |
ジェネシス | ああ…。偽セフィロスの罠に嵌められたが、俺を利用する為に生かしておく必要があったようだ。 |
| それで、隙を見て脱出した。 |
| それより、本物のセフィロスが来ているようだな。 |
アンジール | ああ…。俺はその本物にやられた。俺の偽者が現われたんだ。 |
| セフィロスも、偽者に騙されたのかも知れん…。 |
ジェネシス | 或いは…お前を保護しようとしたのかも知れないぞ?気を失っただけで無傷だろう? |
アンジール | そう言われれば、確かに…。 |
ジェネシス | それに、この部屋には特殊な封印魔法がかけられていた。 |
| いつかセフィロスが、俺たちに解除方法を教えてくれたやつだ。 |
アンジール | 俺が本物なら解除できる筈だと見越して封印したのか…。 |
ジェネシス | これはセフィロスにしか使えない魔法だ。だから本物が来ているのは間違いない。 |
アンジール | ザックスやクラウドたちは…? |
ジェネシス | おそらく地下に捕らわれているんだろう。行くぞ。 |
| 全ての手柄をセフィロスに独り占めさせたのでは、俺たちが来た意味がなくなるからな。 |
アンジール | だが……敵は亡霊かも知れないんだぞ…? |
ジェネシス | まだそんな馬鹿な事を言っているのか?お前は―― |
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--女の笑い声 |
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ジェネシス | ……これはきっと、モンスターの幻惑か何かだ。マバリア…! |
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呻き声 | 身体ガ欲シイ |
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ジェネシス | マバリアが効かない……? |
アンジール | これが魔法ではない証拠だろうな……。 |
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呻き声 | 人間ニナリタイ 人間ニ戻リタイ |
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ジェネシス | だが俺は、地下でモンスターを見たぞ。顔だけは人間の女だったがな。 |
アンジール | 人間の顔をしたモンスター…だと? |
ジェネシス | ファイガ!ブリザガ!くそっ…何故、何も効かないんだ…? |
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呻き声 | 人間ニナリタイ 人間ニ戻リタイ |
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アンジール | ジェネシス、待て。この声…『人間に戻りたい』と言ってないか? |
ジェネシス | どういう事だ…?まさか俺が地下で見たモンスター。元は人間だったのか…? |
アンジール | ……!地下の手術室。まさかあれは、人体実験を行う為の物では…。 |
ジェネシス | 人体実験…だと? |
アンジール | アバランチ兵は特殊な手術を受けて高い戦闘能力を手に入れるが、 |
| やがて自我が崩壊してモンスターのようになってしまうと聞いた事がある。 |
ジェネシス | だったらここはアバランチの研究施設か何かで、 |
| 近隣の村人を襲っているのはアバランチ兵の成れの果てなのか? |
アンジール | ああ…。おそらく彼らが人を襲うのは、身体を奪って人間に戻りたいからなんだろう……。 |
ジェネシス | だったら魔法が効かないのは何故だ?それも彼らの特殊能力なのか? |
アンジール | …この建物は長い間、使われていない廃墟だ。 |
| かつてここに住んでいた者たちは、もう、この世には……。 |
ジェネシス | まだそんなたわ言を―― |
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呻き声 | 身体ヲクレ 身体ヲヨコセ……! |
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--閃光 |
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【研究所 回想】 |
女 | あなたは私が護ってあげるわ。 |
セフィロス | 護る…? |
女 | そう…。あなたは私の何よりも大切な存在だから、護ってあげるの。 |
セフィロス | 俺は自分の身は自分で守れる。それに、俺はもうすぐソルジャーになるんだ。 |
女 | ソルジャーになって、神羅の為に戦うの…? |
セフィロス | 会社の為じゃない。 |
女 | だったら…何の為?あなたには家族も友人もいないのに…何を護る為に戦うの? |
セフィロス | じゃあ…お前を護ってやる。 |
女 | 私を…? |
セフィロス | お前の事は嫌いじゃない。だから…護ってやる。 |
女 | 嫌いじゃない…というだけの理由で護ってくれるの? |
セフィロス | 俺が嫌いじゃないのはお前とガスト博士だけだ。でも、ガスト博士はもういない。 |
| だから、お前は特別だ。 |
女 | そう…嬉しいわ。でもソルジャーになったら、あなたはすぐに私の事を忘れてしまうのでしょうね。 |
セフィロス | そんな事は無い。約束する。 |
女 | 約束…? |
セフィロス | ああ…約束だ。お前が俺を裏切らない限り、俺はお前を護る。 |
女 | でも、私には敵が多いわ。私を護ろうとすれば、あなたはその者たちを敵に回す事になってしまう。 |
セフィロス | 何故…敵が多いんだ? |
女 | 全く異質な世界に生まれれば、価値観も異なる。その溝が理解を不可能にするくらいに深ければ、敵対するのは避けられないわ。 |
セフィロス | だけどお前は……少なくとも俺には優しい。だから俺は、お前を護る。 |
| たとえその為に、世界を敵に回す事になっても。 |
女 | 私もあなたを護るわ、セフィロス。 |
| たとえ…世界が私たちの敵になろうとも……。 |
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【地下】 |
| セフィロス | お前は驚くほど俺の子供の頃に似ている…。 |
少年 | それでも…俺たちを見逃す気が無いのなら、お前は俺達の敵だ。 |
母 | だめよ、セフィロス。この男……とてつもなく強い力を持っているわ。 |
| 戦おうなんてしたら、あなたが―― |
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呻き声 | 身体ガ欲シイ |
| 人間ニナリタイ 人間ニ戻リタイ |
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セフィロス | ……。 |
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呻き声 | 身体ヲクレ 身体ヲヨコセ……! |
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--閃光 |
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呻き声 | 何故ダ…?取リ憑ケナイ 弾キ返サレル…! |
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少年 | 皆、やめろ…!そいつに手を出したら危ない…! |
セフィロス | ……。 |
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--閃光 | |
--悲鳴 |
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