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【地下2】 |
| ザックス | どうなってるんだ?あいつら、アンジールに何をした!? |
少年 | 騒ぐなよ。皆が、目を覚ましてしまう。 |
ザックス | 皆…?もしかして、皆っていうのは……。 |
少年 | 今の内にここから逃げろ。お前一人だけなら、何とかしてやれる。 |
ザックス | どういう事なんだ?説明してくれ…! |
少年 | お前は何も知らない方が良い。 |
ザックス | …お前が俺を助けようとしてくれてる気持ちは嬉しいけど、 |
| クラウドやアンジールを見棄てて俺だけ逃げる訳には行かないんだ…! |
少年 | ……お前だけは助けたかったのに……。 |
ザックス | セフィ…。 |
母 | セフィロス、ヘリが来るわ。 |
ザックス | 化け物……! |
少年 | 母さんは化け物なんかじゃ無い…! |
ザックス | 母さん…?あれが…セフィのお袋さん…? |
母 | セフィロス…これで判ったでしょう?人間なんて、みんな同じよ。 |
少年 | ……。 |
ザックス | 嘘…だろ……?お前…人間に化けたモンスターだったのか…? |
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呻き声 | 人間ニナリタイ 人間ニ戻リタイ |
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少年 | …人間なんて、身勝手で醜いだけの生き物だ…。 |
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呻き声 | 身体ヲクレ 身体ヲヨコセ……! |
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ザックス | うわああああああっ……!! |
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母 | セフィロス、大丈夫……? |
少年 | ああ…。それより、ヘリがこっちに来るって? |
母 | 目くらましの吹雪も何も効かないのよ。何か…とても強い力を持った者が乗っているらしいわ。 |
少年 | 多分…あいつだ。 |
母 | あいつ? |
少年 | 神羅のセフィロス――最強のソルジャー……。 |
母 | 10年くらい前に、ドラゴンを壊滅させたあの…? |
少年 | 大丈夫、心配しないで。俺が何とかするから……。 |
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【廃墟2】 |
| セフィロス | (神羅軍の寝袋がある。行方不明のソルジャーたちはこの建物にいるのか…) |
| (それにしては、妙に静かだ。まさか――) |
アンジール | セフィロス…! |
セフィロス | アンジール…。無事だったか。 |
アンジール | ああ…。何とか迷路を抜け出てきた。 |
セフィロス | 迷路? |
アンジール | この建物の地下には迷路がある。他の連中は、皆それに迷ったらしい。 |
セフィロス | どういう事だ? |
アンジール | 俺たちも先遣隊も、突然の吹雪でヘリが墜落して、この建物に避難したんだ。 |
| 無線が故障して連絡は取れないし、吹雪のせいで外に出る事も出来なかった。 |
| そうしている内に一人ずつ仲間が行方不明になって…。地下を探索したら、迷路だったという訳だ。 |
セフィロス | 迷路というのは妙だな。ツォンの話では、ここは神羅の研究所だった筈だ。 |
アンジール | (研究所の事…知っているのか……) |
セフィロス | ジェネシスはどうした。それに、他の兵たちは? |
アンジール | 迷路に捕らわれたらしい。俺たちと一緒に来た一般兵2名も行方不明だ。 |
| とにかく、お前が来てくれて良かった。地下に急ごう。 |
セフィロス | ……。 |
アンジール | どうかしたのか? |
セフィロス | 嫌…何でもない。(気のせいか……) |
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【地下への階段】 |
| アンジール | ここが地下への入り口だ。 |
アンジール2 | ……! |
アンジール | (しまった…) |
| (取り憑かれていた筈なのに、なぜ動けるんだ…?) |
セフィロス | ……どういう事だ……? |
アンジール | そいつは偽者だ。ここには、擬態能力のあるモンスターが棲んでいるんだ。 |
アンジール2 | 偽者のクセに、何を言う。 |
アンジール | セフィロス。あいつは人間に擬態したモンスターだ。 |
アンジール2 | 違う!俺は本物だ。その男こそ偽者だ。 |
セフィロス | ……アンジール。下がっていろ。 |
アンジール | あ…ああ。 |
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--閃光 | |
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アンジール2 | ぐうっ…! |
アンジール | (今の光は一体……?) |
| 殺した…のか? |
セフィロス | 死んではいない。そこの部屋に運んでくれ。 |
アンジール | …どうするんだ? |
セフィロス | 当分の間は動けない筈だが、念の為、封印して閉じ込めておく。 |
アンジール | (こいつから感じられる生命力…信じられないくらいに強い…) |
| (側にいるだけで、力を奪われてしまうかのようだ……) |
セフィロス | …どうした?顔色が良く無いようだが…。 |
アンジール | ……何でもない。 |
セフィロス | それにしても、擬態能力のあるモンスターとはどういう意味だ? |
| 人間に化けられるモンスターなんて、聞いた事が無い。 |
アンジール | …完全に化けてしまえばモンスターだとは判らないからな。 |
| それに気づいた時には、既に遅い…という事だ。 |
セフィロス | ならば地下に急ごう。ジェネシスの身が心配だ。 |
アンジール | ああ…わかった。 |
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【地下3】 |
| --ポッドの中にクラウドが捕らえられている |
セフィロス | あれは…? |
少年 | お前の仲間を捕らえてある。 |
セフィロス | …思ったより早く正体を現したな。(その姿は……) |
少年 | お前まさか…俺の方が偽者だと判っていたのか…? |
セフィロス | お前は本物のアンジールと鉢合わせするまで、俺に擬態するモンスターの事を話さなかった。 |
| お前が偽者で無いならば、その事を先に話していた筈だ。 |
少年 | 判っていたのに…どうして本物に攻撃を仕掛けた…? |
セフィロス | 一時的に動けなくなるようにしただけだ。 |
| アンジールの姿をした者同士で混戦になったら、見分けがつかなくなるからな。 |
少年 | (そうなればこちらに有利になったのに、阻止された……) |
| …それなら俺の動きを封じるべきじゃ無かったのか? |
セフィロス | お前の芝居に付き合えば、お前の仲間か、ジェネシス達の所に行くだろうと思ったからだ。 |
| それに、向こうが偽者の可能性もゼロでは無いからな。 |
少年 | (あの一瞬でそれだけの判断を…?) |
| (こいつ…戦闘能力が高いだけでなく、戦い方も熟知している…) |
セフィロス | それより…正体を現したのに、何故、俺の少年時代などに擬態する? |
少年 | …これは俺の本当の姿だ。 |
セフィロス | …何…?一体…どういう事だ? |
少年 | 俺がお前に似ている理由なんかどうでも良い。 |
| それより、持っている武器を全て棄てろ。マテリアも…だ。 |
| さもなければ、あの兵士が死ぬ事になる。 |
セフィロス | (本社の研究所にあるのと似た装置だ。ならばあれは魔晄か…) |
| (という事は、動力源は…) |
少年 | 俺を殺して仲間を助けようなんて考えない方が良い。 |
| あの装置を無理に壊したら、中の人間が確実に死ぬようにしてある。 |
セフィロス | 装置を改造したと言うのか…? |
少年 | そうだ。だからもし、壊そうなんてすれば―― |
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--セフィロスがポッドに斬り付ける |
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少年 | ……! |