Anniversary

(5)



二人がミッドガルに戻ったのは、セフィロスとの約束の一時間前だった。
ソルジャー・フロアのシャワールームでモンスターの返り血と汚れを洗い流し、着替える。
それから、休む間もなくセフィロスの執務室に迎えに行った。
「お前たち、明後日まで遠征じゃ無かったのか?」
ジェネシス達の姿を見ると、そう、セフィロスは訊いた。
「その予定だったが、早めに任務を終わらせた。あんたとの約束があるからな」
「別に…今日でなくとも話ならいつでも出来るだろう?」
幾分か不思議そうに、セフィロスは言った。
ジェネシスは首を横に振る。
「前も言った通り、今日は俺たちにとって特別な日なんだ。だから、ささやかなお祝いをしたい」
「お祝い?何を祝うんだ?」
「俺があんたに出会えた事。あんたが、生まれてきてくれた事。そして、俺たちの今がある事」
熱っぽく、ジェネシスは言った。
五年前、初めて雑誌の記事でセフィロスを知った時のようだと、アンジールは思った。
セフィロスはすぐには何も言わなかった。
暫く考えるように黙り込み、それから口を開く。
「もしかして、誕生日を祝う意味というのはそういう事なのか?」
そうだな…と、アンジールは答えた。
「人によって意味は違うだろうが、家族や友人や、大切な人が生まれてきてくれた事、その人と出会えた事を感謝する。自分の誕生日なら――」

生んでくれた親への感謝と言いかけて、アンジールは口を噤んだ。
セフィロスの母親はセフィロスを産んですぐに亡くなったと聞いているが、父親は生きているのかどうかも判らない。
そもそもどうしてセフィロスが研究所などで育てられる事になったのか、アンジールたちは知らないのだ。
だが、セフィロスが親に感謝できるような境遇で育っていないのは確かだ。

「俺が雑誌であんたを見つけた日だから、あんたに取っては意味の無い日かも知れないが、それでも…」
祝わせて欲しい、と、まっすぐに相手を見つめ、ジェネシスは言った。
セフィロスはただ、軽く頷いた。

本社ビルを出て三人でタクシーに乗り、途中でアンジールを降ろしてセフィロスとジェネシスの二人は先にジェネシスの部屋に向かった。
アンジールは、食料の調達係だ。
部屋に着くとジェネシスはお茶を淹れ、「ちょっと待っててくれ」と言って寝室に入る。
そして、すぐに一冊のスクラップブックと共にリビングに戻って来た。
「これを…見てくれないか?」
言って、ジェネシスはスクラップブックを差し出した。
セフィロスは黙ってそれを開き、そしてジェネシスを見る。
「俺の記事だ」
ジェネシスは頷く。
「最初のページにあるのが、五年前の今日、初めてあんたの存在を知った時の記事だ。それからは、手に入るだけの記事は全て集めた」
当時、バノーラでは雑誌が手に入りにくく、そんな『贅沢品』を買えるのは、地主であるラプソードス家だけだった。
セフィロスは何ページかページをめくり、そしてスクラップブックを閉じた。
「こんな物を集めて、面白いのか?」

視線を落としたまま、セフィロスは低く言った。
ずきりと胸が痛むのを、ジェネシスは覚えた。
少年の頃からずっと大切にしているそれは、ジェネシスの宝物なのだ。
他の誰かに貶されたら、間違いなくその相手を殴っている。

「…俺にとっては、大切な品だ。あんたがいつどこでどんな戦いをしたか、全て記録してある。全部じゃないかも知れないが、俺に集められるだけの記事は――」
「こういう記事を書いたのは、神羅カンパニーの宣伝広告部門だ」
ジェネシスの言葉を遮って、セフィロスは言った。
「彼らは誇張した記事で俺を『英雄』に仕立て上げて、世論を味方につけようとした。私企業が軍隊を持つ事や、ウータイとの戦争。全ての市民がそれに賛成な訳じゃない。だから反対勢力を抑える為に、俺を利用しているんだ」
すぐには何も言えず、ジェネシスは口を噤んだ。
ソルジャーになってまだ三年目だが、1stに昇進したのが早かったので、三年分以上の経験は積んでいる。
バノーラで何不自由なく暮らしていた世間知らずな少年が、現実を知るのには充分だった。
だから、セフィロスの言う意味は判る。
それでも、少年の頃からの憧れをセフィロス自身に否定されるのは、自分の存在を否定されるようなショックだ。
「……記事の全てが誇張だって言う訳じゃあるまい?」

咽喉もとを締め付けられるような苦しさを感じながら、そう、ジェネシスは訊いた。
何度か任務に同行し、セフィロスが写真で見るより美しく、記事に書かれているより強いのは判っている。
それでも、当の本人から『誇張』だと言い切られると、不安になる。
セフィロスはもう一度、スクラップブックを開き、記事にざっと目を通した。

「いつどんなモンスターと戦ったとか、何人の敵を倒したとか、そんな事はいちいち覚えていないが…。他のソルジャーが同行していても、全てが俺の功績みたいに書かれている。特にウータイでは、俺は殆ど何もしていないのに」
「…だったらその最初の記事で、あんたが一人でドラゴンの群れを壊滅させたっていうのも誇張なのか?ウータイ戦で、あんたの姿を見ただけで敵が降伏したっていうのも?」
「最初のは本当だ。あの頃は、まだ他のソルジャーなんていなかった。ウータイの部隊が降伏したのも事実だ。言った通り、俺は何もしなかった」
セフィロスの言葉に、ジェネシスは身体の力が抜けるのを感じた。
安堵なのか何なのか自分でも良く判らない溜息を吐き、改めてセフィロスを見る。
「あんたは自分の価値を知らなすぎるんだ…」
冷めかけたお茶を飲み、それからジェネシスは続けた。
「確かに神羅があんたの名声を利用しようとしているのは事実だろう。だけどあんたの名声は、虚構なんかじゃない。俺もアンジールも他の数え切れないくらいの少年たちも、あんたに憧れ、あんたを誇りに思ってるんだ」
「誇り…?」
セフィロスが呟いた時、入り口のドアが開いた。
「すまん、遅くなった。腹、減っただろう?すぐに飯にする」
二人に言うと、アンジールは大股に歩いてキッチンに入った。
手伝おうか?とジェネシスが訊くと、カウンターの上に食材を並べながら、大丈夫だと答える。
「…全部の記事を神羅の宣伝広告部門が書いてるって訳じゃない」
改めてセフィロスに向き直って、ジェネシスは言った。
「新聞だとか、神羅が広告主になっていない雑誌だとか。中には批判的な記事もある」

そうなのか?と、言ってセフィロスはジェネシスを見た。
ジェネシスはスクラップブックを手に取り、ページをめくった。
それから、一つの記事をセフィロスに示す。

「さっき、あんたも言ったような内容だが、神羅が年端も行かない子供を戦わせて、世論操作に利用していると批判してる。こっちの記事では、あんたの戦歴は不自然で、ただの捏造だとこき下ろしている」
「その記事は俺も知っている。プレジデントが激怒して、捏造では無い証拠を見せてやると、それを書いた記者を俺の次の任務に同行させたんだ」
ジェネシスは、口元を綻ばせた。
「じゃあやっぱり、その記者が手の平を返すようにあんたを賞賛する記事を書くようになったのは、金で買収されたからでも脅されたからでも無かったんだな」
セフィロスも、幽かに笑う。
「武装もしていない一般人がモンスターの巣に連れて行かれたんだからな。脅しと言えば脅しかも知れない」
あの記者は、と、その時の事を思い起こし、セフィロスは続けた。
「従軍経験はあると言っていたが、モンスターの姿を見た途端、真っ青になって…。危ないから下がれと言ったのに、動かなかった。腰が抜けて、動けなかったんだ」
「でもあんたは毅然として動じなかった。その記者をかすり傷ひとつ負わせる事無く護りながら、獰猛なモンスターどもを掃討した。五年近く前の記事だから、まだ子供だったのに」
セフィロスの口元から、笑みが消える。
「『こんな子供なのに信じられない』と、よく言われた。『まるで化け物だ』…とも」
「それはただのやっかみだ」
思わず、強い口調でジェネシスは言った。
「自分の限界に幻滅している者の、ただの僻みだ。俺は自分の限界なんて認めない。俺の目標は、あんたなんだ。ただのひ弱で空想癖のある子供が1stのソルジャーになれたのは、あんたという目標がいるからなんだ」

セフィロスは、ただ黙ってジェネシスを見た。
魔晄に似た光を湛えた瞳が、神秘的なまでに美しいと、ジェネシスは思った。
僅かな沈黙の後、セフィロスは口を開く。

「何故…ソルジャーになんかなりたかったんだ?」
「だから、あんたに憧れて――」
「俺は、自分の意思でソルジャーになったんじゃない。『他に利用価値が無い』から、ソルジャーであり続けているだけだ」
ジェネシスはすぐには何も言えず、口を噤んだ。
何かを言わなければと口を開いた時、「出来たから運ぶの手伝ってくれ」と、キッチンからアンジールが声をかけた。



ダイニングで食事をしながら、アンジールとジェネシスは、その日、終えたばかりの任務の話をした。
セフィロスは余り喋らず、聞き役に徹していた。
二週間はかかる任務を三日、短縮させた事でセフィロスが何か言ってくれるのをアンジールもジェネシスも期待していたが、その事に関して、セフィロスは特に何も言わなかった。
食事の後、リビングのソファに移動してお茶を飲む。
そこまでは、ジェネシスの誕生日の時と同じだ。
但し、その日はジェネシスも酒は飲んでいなかった。
「…この前の事、謝りたい」

話題が切れた時、そう、アンジールは言った。
ジェネシスは、幽かに眉を顰める。
セフィロスがどう思っているか定かでないのに、藪をつついて蛇を出すような真似をしたくなかったのだ。

「うやむやにしたんじゃ、何のために今日、集まったのか判らないからな」
ジェネシスに視線を向けて、そう、アンジールは言った。
それから、改めてセフィロスに向き直る。
「ジェネシスの誕生祝の時、お前に不愉快な思いをさせてしまって済まなかった。お前が…どういう環境で育てられたか知っているのに、配慮が足りなかった」
セフィロスは答える代わりに、ただ視線を落とした。
アンジールは続ける。
「俺たちはただ、もっと自分たちの事を知って欲しかったし、お前の事を知りたかっただけなんだ」
「話す事なんて、余り無い」
視線を落としたまま、淡々とセフィロスは言った。
「俺は学校に行っていないから、同級生はいないし、家族と一緒に過ごした事も無い。ハイキングだとか祭りだとかの経験も無い。ただ毎日、窓も無い研究所で繰り返し検査を受けて、実験用のモンスターと戦って記録を取られていただけだ」
それでも、と、セフィロスは続けた。
「一人だけ、友だちがいた。名前はアル。身体能力が低かったからボール投げくらいしか出来なかったが、あれだけは戦闘訓練でも、データを取る為のテストでも無かった」
「その人は、今……?」
訊かない方が良い気はしたが、無視する訳にもいかず、アンジールは言った。
「病気で死んでしまった。もう、三、四年前の事になる」
「それは…気の毒な事を……」
「ついでに言えば、アルは人じゃない。実験用のモンスターだ。身体能力が低かったから戦闘訓練に使えなくて、廃棄処分にされる筈だった」

同じく廃棄処分にされる予定の他のモンスター達と一緒に檻に入れられていて、他のモンスターに虐められていたのだと、セフィロスは言った。
それをセフィロスが助け、それからアルはセフィロスに懐くようになった。
それで、廃棄処分にせずに研究所で飼うように宝条に頼み、それからアルと『友だち』になったのだ…と。

「他に何を訊きたいんだ?」
眼を上げ、セフィロスは言った。
「母は俺を産んですぐに死んで、写真の一枚も残っていない。父の事は何も知らない。どうして研究所で育てられたのかも知らない。訊いても、『余計な詮索をするな』と言われただけだった。研究所には研究員が大勢いたが、宝条以外とは口を利くことも禁じられて――」
「セフィロス、もう良い」
途中で、ジェネシスがセフィロスの言葉を遮った。
幾分か不思議そうに、セフィロスはジェネシスを見る。
ジェネシスは視線を逸らした。
透明な翡翠色の、哀しいまでに美しい瞳に見つめられるのが辛かった。
「子供の頃の話なんて、どうでも良い。俺たちは過去に生きている訳じゃないんだ。まだ若いんだし、老い先短い老人みたいに、思い出に縋って生きる必要なんて無い…!」
「ジェネシス…」

思わず語尾を荒げた幼馴染の名を、アンジールは宥めるように呼んだ。
ジェネシスは、疼く様な鈍い胸の痛みを持て余していた。
まだバノーラにいた頃、常に毅然として全てを超越したようなセフィロスの雰囲気に憧れていた。
『孤高の英雄』という言葉が、セフィロスにはとても相応しく思えた。
自分もああなりたいと、切に願った。
セフィロスのようになれれば、アンジールの他に友人のいない孤独が痛みでは無くなると思った。
本当の孤独がどういうものか、知らなかったのだ。

「…ジェネシスの言う通りだ。俺たちが生きるのは未来であって、過去じゃない」
暫くの沈黙の後、アンジールは言った。
「親が誰だとか、どんな風に育ったかなんて問題じゃない。俺はそんな基準で友人を選んだ事は無い」
「だったら、何が訊きたいんだ?」
そう、セフィロスはアンジールに訊いた。
アンジールは、まっすぐにセフィロスを見る。
「俺たちは、これからもお前の友人であり続けたい。お前も同じ気持ちでいてくれるのか――訊きたいのは、それだけだ」
「だったら、何故、最初からそう言わない?」
セフィロスの問いに、アンジールは僅かに躊躇った。
それから、意を決して口を開く。
「この前、配慮が足りなかったせいで、お前を傷つけてしまった。それでお前が俺たちに心を閉ざしてしまったんじゃないかと、それが怖かったんだ」
「…怖い?」
鸚鵡返しに、セフィロスは訊いた。
アンジールは頷く。
「かけがえのない大切なものを失うのは、誰だって怖いさ」
それに、と、アンジールは続ける。
「お前は全てのソルジャーの誇りで、憧れの的だからな。それなりに、遠慮があった」
アンジール達がセフィロスに気を遣うのはセフィロスが高嶺の花だからと言うより、特殊な環境で育っているからだ。
が、アンジールはそれを口にしなかった。
『英雄』だから遠慮があったのも、嘘ではない。
「それで…答えは?」

幾分か緊張して、アンジールは訊いた。
ジェネシスも、セフィロスを見る。

「確かに…この前は少し、落ち込んだと思う。理由は自分でも良く判らないが、お前たちのせいだとは思っていない」
「だったら…これからも俺たちの友人でいてくれるのか?」
アンジールの言葉に、セフィロスは頷いた。
「当然、その積りだ。そもそも、俺はお前たちに心を閉ざしたりしていない」
「嫌……帰還報告に来なくて良いって言われたから、てっきり俺たちに愛想を尽かしたのかと…」
「報告は、部下が上官にするものだ。お前たちは俺の友人なんだから、形式ばった報告は必要ないという意味で言ったんだ」
セフィロスの言葉に、アンジールとジェネシスは、胸を撫で下ろした。
口元に、安堵の笑みが浮かぶ。
それから、アンジールは、がしがしと髪をかき乱した。
「それを聞いて安心したが…ひとつ、頼みたい事がある」
「アンジール…?」

何を言い出すのだと言いたげな表情で、ジェネシスは幼馴染を見た。
アンジールは幾分か身を乗り出すようにして、セフィロスに向き直る。

「怒らないで聞いて欲しいんだが、お前は余り感情を表に出さないし、物言いが素っ気無い。だから周りの人間は、お前に話しかけづらいし、何か不機嫌なんじゃないかって勘ぐってしまう。それはお前の個性でもあるだろうから改めろなんて言うつもりは毛頭無いが、少なくとも俺たちに対しては、思った事をはっきり言ってくれないか?」
セフィロスは、ゆっくりと瞬いた。
「俺の物の言い方は、素っ気無いのか?」
「セフィロス、良いんだ――アンジール、止めないか」
アンジールが口を開こうとしたのを遮って、ジェネシスは言った。
「俺はセフィロスを責めてる訳じゃない」とジェネシスに言ってから、アンジールは改めてセフィロスを見る。
「お前は決して冷たい奴じゃないのに、周りにそういう誤解を与えやすいんだ。だが、それはお前が悪いんじゃない。お前はただ…人付き合いに慣れて無いから、気持ちを伝える方法が判らないだけなんだと思う」
「……神羅軍の将軍から、『口の利き方を知らない若造だ』と貶された事があるが」
「あんたにそんな事を言うなんて、とんでもない」
むっとした表情で、ジェネシスが言った。
「何て名前の奴だ?」
「さあ…。それに、もう退職している。プレジデントがクビにしたと聞いたが…。俺のせいだったのか?」
「あんたのせいなんかであるもんか。プレジデントの判断が正しい」
「ジェネシス……」
溜息と共に、アンジールは幼馴染の名を呼んだ。
「頼むから、もう少しだけ俺に話させてくれ。俺は別に、セフィロスに口の利き方を教えようなんて、偉そうに思ってる訳じゃない」
「だったら何がしたい?せっかくまとまったものを、またかき回したいのか?」
「俺はただ、セフィロスと名実共に友人でありたいだけだ。変に気を遣ったり、何を考えているのか勘ぐったり、そういうのはもう、止めにしたい」
勿論、と、アンジールは続けた。
「何でもかんでもあけすけに話せとは言って無いし、全く気を遣わないって事でもない。だが、他の奴には言い難い事でも、打ち明けたり相談したりできるのが友だちってもんじゃないのか?」

ジェネシスは何か言いかけたが、口を噤んだ。
そして、改めてセフィロスを見る。
セフィロスは暫く黙っていたが、やがて口を開いた。

「…アルの事を誰かに話したのは、お前たちが初めてだ。お前たちでなければ、訊かれても話さなかったと思う――アンジールが言ったのは、そういう事か?」
「ああ…そうだ」
短く、アンジールは言った。そして、「話してくれてありがとう」とも。
「何に対する礼だ?――嫌…答えなくて良い。何となく…判ると思う」
そう、セフィロスは言った。
それから、「俺も聞いて貰えて良かった」と続ける。
「もう死んでしまったから、アルの事を思い出すのは哀しかったし、辛かった。だから、誰にも話さなかったんだ。だが、お前たちになら、アルと遊んだ思い出が話せると思う」
アンジールとジェネシスは顔を見合わせ、笑みを交わした。
セフィロスは二人を見、口元に笑みを浮かべる。
「聞いてくれてありがとう――大切な人が生まれてきてくれた事、その人と出会えた事を感謝するというのは、こういう事なんだな…」




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