「油断するな」
「判ってる」
「…そう言いながら、お前はいつも無茶をする。
もう、尻拭いはしてやらないぞ?」
突き放すような言葉に、サスケは振り向いて兄を見た。
艶やかな黒髪が、風に靡く。
暗部に入隊して三ヶ月。
少しでも兄に近づきたいと云う願いがやっと叶って、
確かに少し、無茶をしていたかも知れない。
だが安心して『無茶』なマネが出来るのは兄がいるからであり、
その信頼が絶対的なものなのだと、イタチも判っている。
「逸る気持ちは判るが、功を焦るな」
オレはただ、と、サスケは兄の背を見つめたまま言った。
「一日も早く、兄さんが安心して背中を預けられる忍になりたいだけだ」
イタチは何も言わず、サスケの方を振り向きもしなかった。
ただ、口元を僅かに緩め、幽かに微笑った。
駄文:BISMARC
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