Promised Land



(10)




-ライフストリームの底
エアリスまた 会えた…ね
セフィロス…何の用だ
エアリス……ちょっと聞きたいことがあって 迷惑?
セフィロス…内容による
エアリス私を殺したのも ニブルヘイムのみんなを殺したのも あなたに擬態したジェノバだったのに 
どうしてザックスたちに それを黙ってたの? 
それに 本気で戦っているようにも思えなかった
セフィロスそれは買いかぶりだ 母を解放するために 力を使い果たしていたからな
エアリスじゃあ… クラウドたちに 何も言わなかったのは?
セフィロスジェノバは俺の母だ 母のしたことならば 俺も無関係ではない
何より 母を解放したのは俺だ
エアリスそれじゃ 最初から……
セフィロス……
エアリス……私たちセトラがジェノバを封印した事 怒ってる…?
セフィロスお前こそ 母がお前たちを滅ぼしたのを 怨んでいるのか?
エアリス……わかんない
ザックスやクラウドには もう会えない スラムのみんなにも
見守る事はできるけど 声が届かない それは哀しいけど…
でも 二千年も前に起きたことで 怨まなきゃいけないのかな
セフィロスその二千年の間ずっと 母は封印されていた
エアリスだから… 私の事も 怒ってたのね
セフィロス…警戒は していた
エアリス私… あの時 ジェノバの声を聞いたの
ジェノバが この星のライフストリームを吸い尽くそうとしているのは 何故なのか
どうしてそれが 必要なのか
お母さんの手紙に書いてあった事と全然違って びっくりした
セフィロス…母の言葉を信じるのか? 母の手で殺された お前が
エアリス…わからない 私には 理解できない部分もあったし
セフィロス人間であるお前には 理解できないだろうな
エアリスでも あなたも……
セフィロス…俺は人間ではない
母から移植された細胞は 人間の胎児のすべてを支配し 再構築した
そうして生まれたのが 俺だ
エアリス…人間じゃなくても こうして話すことができる ちゃんと 意思を通じ合わせることが
もしも二千年前に セトラとジェノバが話す事ができていたら……
セフィロス母とお前たち人間とでは 視点が違いすぎる
古代種といえど お前たちは星と強く結びつき 宇宙全体を見渡す視点を持たない
エアリス……
セフィロス人間は強欲で偏狭で
自らの欲望を満たすためにライフストリームを浪費する生き物だ
そしてその行いはライフストリームを枯渇させ 星を終焉へと追い込む
人間など滅ぼしてしまった方が良いと 星が判断する日も そう遠くないかも知れない
そしてそうなれば 人間と星との戦いになるだろう 
エアリスその戦いは避けられないと ジェノバは考えているの?
セフィロスああ… 母が封印されている間に 人間はウェポンとも戦えるほどの力を身につけてしまった
人間が持つには 大きすぎる力だ
その力はライフストリームの流れを淀ませ 生命の循環を断ち切ってしまいかねない
エアリスそうなったら… 本当の意味で 全てが滅んでしまうんだね…
そうなる前に この星のライフストリームを別の星へと導くのが あなたたちの使命
セフィロスそうだ だが……
一部の人間は ライフストリームの浪費が間違った行いであると 気づき始めている
エアリス星命学ね 本を読んだことがある
セフィロスそれに… ここに来て 俺はライフストリームを通して 様々な人間の『想い』を知った
人間は強欲で偏狭で愚かしいが 
それが全てでは ない
エアリス私は…… 星と人間との戦いは避けられるって 信じてる
古代種でないみんなには 星の『声』を聞く力はないけど
それでも 信じるのはタダだし
セフィロスククッ… 賭けでも するか?
エアリスあなたが笑うの 初めて見た
セフィロス……
とにかく 俺は判断を急ぐ積りは無い 
母から受け継いだ記憶は余りに膨大で まだ気持ちの整理もついていない
だから 母が俺を取り込んでリユニオンしようとした時 俺はそれを拒絶した
エアリスじゃあ… ジェノバは?
セフィロス俺が取り込んだ
母が望んだ形では無かったかもしれないが 俺はジェノバを継承した
 
 
-スラムの教会
ザックスクラウド… お前もここに来てたのか
クラウドうん… エアリスが大切にしてた花 枯らしたくないからな
ザックス何か…… まだ色々 信じらんね
クラウドああ……
ザックス…お前は俺よりずっと辛いよな オフクロさんと故郷が あんな事になっちまって…
クラウド……
ザックス俺も 神羅 辞めることにしたわ
クラウドザックス… せっかく1stのソルジャーになれたのに
ザックス「ニブルヘイムで起きた事は極秘にしろ」 そんな会社でやってけねぇよ
何か怪しげな実験もやってたみたいだし それに… 
セフィロスのあんな姿を見て 自分のなりたかったものが何なのか わからなくなった
クラウド多分… 俺もザックスと同じだ
ザックス…これから どうすんだ? 神羅が偽装したニセモノの故郷には 帰りたくないだろ?
クラウド…まだ… 考えてない…
ザックスだったらさ 俺と一緒に『何でも屋』でもやんね?
クラウド『何でも屋』…って 何をやるんだ?
ザックス何でもさ 『何でも屋』だから
クラウド……そんないい加減なことで うまく行くのか?
ザックスさあな でも とにかく始めてみるさ お前と一緒なら 何とかなりそうな気がする
クラウド相変わらずだな ザックスは… 
でも やってみるよ 一緒にやらせてくれ
ザックスおとなしいクラウドにしちゃ 前向きな発言だな
クラウドだって…… 俺たちは エアリスの分も生きなきゃ
ザックスそうだな… エアリスの分も 精一杯 生きる 
今の俺たちにできるのは それだけだ
 
 
-ライフストリームの底
エアリスこれから… どうするの?
セフィロスしばらくは このライフストリームの底で 星の行く末を見守る
そして それが必要だと判断すれば この星のすべてのライフストリームを吸い尽くし 別の星へと導く
エアリスそれは…… いつの事になるの?
セフィロスさあ…な すぐかも知れないし ずっと先の話になるかも知れない
エアリス…それまで たまに会いに来ても良い?
セフィロスなに…?
エアリス一人じゃ 寂しいでしょ?
セフィロス俺は孤独など恐れない
孤独であることは ジェノバの宿命だ
エアリスでも 退屈だよ
セフィロス……
要するに 俺を監視して 邪魔したいのか
エアリスあなたがそう思いたいのなら そう思っても良い
私もね 急にいろんな事がありすぎて どうしたいんだか よくわかってないし
セフィロス場合によっては 俺と戦う事も辞さないと言うわけか
エアリス……そうかもね
先の事は まだわからない 私にも あなたにも
でも今ひとつだけわかるのは 私とあなたは 血と運命を分かち合っているのだという事
セフィロス言ったはずだ 俺は人間の血など引いていない
エアリスそれでも 私たちがそれぞれ受け継いだ力が 私たちを一つの運命に結び付けている
その結びつきが敵対になるか協力になるかは まだわからないけど
セフィロス…俺と母の使命を邪魔するのであれば それが誰であろうと容赦はしない
その覚悟があるならば__
好きにしろ…
エアリス…うん
 
 
-緑に覆われ、半ば水没しているミッドガルを見下ろす丘の上に立つナナキと子供たち
505年後
繁栄を極めた『文明の時代』は去り
星は未だ終焉を迎えてはいない
ジェノバの後継者と
古代種の末裔
彼らの行く末を知るのは
ただ 星のみである
 
 






勢いで作ってしまった動画でしたが、セリフだけで色々表現するのが結構、大変でした;
地の文で説明とか出来ないし、アイコンで表情とか出せないし、原作の素材で原作と違うストーリーなので、その辺も難しかったり…;;

セフィロスとエアリスで書きたかったのは、『運命を分かち合っている』のひと言なので、目指したのはソウルメイトみたいな関係です。
にもかかわらず最初の辺でセフィエアのラブストーリーみたいな雰囲気が漂ってるのは、後の悲劇を際立たせるためのミスディレクションだったのですが、ミスディレクションが効き過ぎたかも;

その後、2人がどうなるのかは、一応、設定はあるのですが、各自のお好みに合わせてお好きなように想像してやって下さいませ。

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